「Google DevFest 2010」に参加してきました

先日3月11日に、Googleが主催した「Google DevFest 2010」に参加してきたので、簡単なレポートをしたいと思います。

そもそも「Google DevFest 2010」って何?

Googleの主催するイベントは、「Google I/O」や「Google Developer Day」などの大規模なカンファレンスがあったり、ときどき様々な分野でHackathonなどの小さなイベントがありますが、「Google DevFest」はその中でも中規模なイベントのようで、日本では初の開催だそうです。

今回のこのイベントで発表されたトピックは、「Google Maps API」、「Google App Engine」、「Androidアプリ」、「Go言語」、「Chromeブラウザの拡張」、OpenSocial」でした。

Googleの中の人のプレゼンがあったり、その方面で有名な開発者の方々のプレゼンがあったりと、興味深い内容のものもありました。

個人的な見どころ1: Android

世間では、Android端末がどんどん増えていますね。

このカンファレンスでは、日本語入力アプリ「simeji」の開発者であるadamrockerさんと、デザイナーの矢野りんさんが、iPhoneライクな動作ができるUIまわりのプレゼンを行っていました。

adamrockerさんは、キノコのかぶりものをしての登場でした。(笑)
お二人のプレゼンの内容は、比較的そっけないイメージのAndroidアプリに対して、ダイアログにタメのある動きを加えたり、ウィリアム・モリスの壁紙を使うことで、アプリの雰囲気が飛躍的に良くなる、というお話をしていました。

コンソールの文字入力に慣れてしまった開発者の方は、アプリの雰囲気に無頓着だったりしますから、多くのユーザの心をキャッチするには、必要な知識ですよね。

また、Googleエンジニアの宮川大輔さんからの発表もありました。

Androidは多くの種類の端末に搭載できることもあり、できる限り多くのAndroid端末で動作させるには、それなりのテクニックが必要になってきます。

できる限り公開SDKで規定されたAPIを使うこと、Androidアプリの国際化対応すること、Unit Testを行うことなどが中心の発表でした。

個人的な見どころ2: Go言語

実は「Google DevFest 2010」に参加するためには、「DevFest Quiz」という問題を解き、基準点以上の成績を取得しないといけませんでした。

その問題の中には、「HTTP 302の意味は?」という単純な問題から、数字を漢数字に変換するサーバを用意する問題などの、プログラミング技術を問う問題が用意されていました。

今回、「Go言語」のプレゼンを行ってくださったのは、「Debian Project」や書籍『Binary Hacks』でも有名な鵜飼文敏さんで、なんと彼が「DevFest Quiz」を「Go言語」で解くという内容のプレゼンが用意されていました。

「Go言語」の仕様に触れながら、「Hello, World!」プログラム、漢字変換のためのWebサーバ・プログラム、軽量なスレッドである「goroutine」を使ったパッチワーク・クイズの解法プログラムなどなどを解説していただきました。

「Go」は、コンパイル言語の持つ堅牢性、軽量スクリプト言語の持つプログラミング体験、そしてより扱いやすい軽量スレッドを持つ点など、多くの特徴を持っている言語なので、これからの発展も気になるところです。

個人的な見どころ3: Google Wave

次世代のコミュニケーション、コラボレーションを目指すツールである「Google Wave」。

同時に複数人で同じドキュメントの作業しても、コンフリクトが起こらないのは、操作変換(Operation Transformation)の処理がなされているからだそうです。

他人が行った操作を、そのまま自分の見ているドキュメントに適用せず、他人の操作を一度変換してから適用することで、ドキュメントを壊さずに作業が行えるとか。

また、「Google Wave」には「Wave Gadget」と「Wave Robot」が存在し、それぞれの一般的な作り方についてのプレゼンが用意されていました。

「Wave Gadget」はXML、HTML、Javascriptで作られており、「Google Gadget」を作ったことがある方は簡単に作れるはず、とのことです。

また、「Wave Robot」のほうは「Google App Engine」を使って実装できるそうで、主な機能としてはメッセージの投稿や、ユーザが投稿したメッセージの編集や修飾、そして共有データへのアクセスができるようになるそうです。

これから「Google Wave」はパブリック・リリースに向けて、作業を進めているそうです。

その他の見どころ

他にもHTML 5、Google App EngineGoogle Maps APIOpenSocialChromeの拡張などの発表がありましたが、いかんせん自分の知識がないためにうまくレポートできないもの(笑)や、別の部屋でのプレゼンだったために見ることができなかったものが多数ありました。

次のバージョンであるHTML 5は、これまでのHTMLでは実現できなかった機能が、いろいろと盛り込まれているようですね。

特に、Web Socketはクライアントとサーバ間でのプッシュ型・プル型の接続が可能になって、いろいろと面白そうなことができそうです。

Google Maps APIも次のバージョン3が用意されているようです。

これまでGoogle Maps APIを使うためにはユーザ登録と、APIを使うためのキーが必要でしたが、新しいバージョンでは不要とのこと。
細かな機能も追加されるようで、地図情報の充実が図れそうです。

まとめ

Google DevFest」は、これまで発表されてきたGoogleの技術情報を元にした内容が多いため、Googleの技術に精通した方にとっては少々物足りない感じもするかもしれません。

ただ、オフィス・アワーのようなプレゼン登壇者に接近できる場や、GTUG主催のライトニングトークなども行われていたので、ホームページで得られる技術情報以上の雰囲気を感じられるかもしれません。

秋ごろには、今年も「Google Developer Day」が開催されるようなので、次はそちらのイベントへの参加を楽しみにしています。