書評『ラッキーをつかみ取る技術』

ラッキーをつかみ取る技術 (光文社新書)

最近、本をよく読むのですが、これまで読んできた本は本棚に眠るだけで、その内容について何も記録を取っていませんでした。
読んだ後の新鮮な気持ちをできるだけ維持するためにも、読んだ内容を「書評」という形で保存しておこうと考えました。

今回、読み終えた本は、『ラッキーをつかみ取る技術』という新書です。

最初に本書を目の前にしたときは、ラッキーをつかみ取るとは言っても、運や偶然性は鍛えられないだろうと、そのタイトルに批判的な目を向けていました。

しかしながら、本書を読み進めていくと、良い出来事、良い話、良い物、良い人を自分に近づけるためには、いくつかの準備をすることで実現させることができることがわかります。

『ラッキーをつかみ取る技術』の目次
序章 そもそもラッキーとは何か
第1章 ラッキーに備える
第2章 ラッキーを呼び込む
第3章 ラッキーを見つける
第4章 ラッキーを取りにいく
第5章 ラッキーをモノにする

非常に理系的な解釈かもしれませんが、外からやってくるラッキーの確率を上げるためには、それに関わる様々な要因に関して、こちらから働きかけることが大切なんですね。

例えば、多くの人たちとネットワークを築きたいならば、いつも爽やかな良い顔をしていれば、当然まわりの人たちは良い印象を持ってくれますよね。

良い印象を持ってくれれば、また会ってくれるかもしれませんし、遊びに誘ってくれるかもしれませんし、さらには良いお仕事を紹介してくれるかもしれません。

そういうちょっとしたことが、自分に跳ね返ってくることを、もっと自覚したほうが良いのではないかと気付かされます。

常にまわりの人に自分のアイデアを熱く話していれば、そのアイデアに少しでも関心を持った人が、またあなたの話を聞きたくなったり、さらにはそのアイデアを発展してくれる話を提供してくれるかもしれません。

その人にプラスになることをしてあげて、「Give & Take」ではなく「Give & Give」の精神を持って、見返りを考えずに良いことを与え続ければ、多くの人たちから感謝と信頼を得られる理由も、わかる気がします。

逆に「Give & Take」の「Take」だけを欲しそうにしていたら、チケットや新聞の勧誘のように、なんだか胡散臭そうな人だなと思われるのが、関の山ですよね。

この書籍には、「楽観的に考える」「自分の好奇心にフタをしない」「あえて人とは違うことをする」といったような、項目が目次に並んでおり、一見これでラッキー(もしくはチャンス)を手に入れることとは関係のなさそうに思われます。

ですが、これらの項目は、自分の環境をプラスに変えうる行動であり、これらを実践することで環境を良い方向へ変える可能性が高いと思います。

こうやって話を進めていくと、どんなことでも自分が望む出来事というのは、自分の行動の及ぶ範囲を考えれば、ラッキーを発生させる確率を上げることができるのかもしれませんね。