書評『自助論』
1858年に出版された、サミュエル・スマイルズの著作である『自助論』は、福沢諭吉の『学問のすすめ』と並んで当事の青年たちに大変多く読まれ、明治の青年たちを奮い立たせた本だそうです。
この本の中には、歴史上の人物たちがどのように苦労を重ねて、自身を律し、勤勉に働くことで成功を手に入れたのかという例が、山のように書かれています。
以前、自分が仕事上で苦しい立場にいたとき、歴史上の人物たちも大変な苦境の中で勤勉に立ち向かっていったことを知って、随分と励まされた本です。
『自助論』の目次
1章 自助の精神―人生を自分の手で開く楽しみを知る
2章 忍耐―たったこれだけで努力が苦でなくなる!
3章 好機を確実に生かす―この「改善」の手が、いま打てるか!
4章 仕事―いつも最高の成果を生むための基本原則
5章 意志と活力―「使命感」が人の器を何倍にも大きくする
6章 時間の知恵―成功者はみなこの「実務能力」を生かしている!
7章 金の知恵―“楽するため”にはこの汗をかけ!
8章 自己修養―頭脳と心・体の、効率よく痛快な鍛え方
9章 出会い 人生の師・人生の友・人生の書を持っているか
10章 信頼される人 人望・人格の力は一生通用する最高の宝だ!
まず「自助の精神」とは、自分で自分を助けようとする精神です。
人から得られる助けに頼ってばかりいれば、人は弱くなり、かえって自立の心を失わせてしまいます。
「天は自らを助くる者を助く」とは言いますが、この「自助の精神」こそが自分をいつまでも励まし元気づけ、そしてさらには成長させる、とスマイルズは言います。
スマイルズはこの「自助の精神」を裏打ちする意味でも、本当にたくさんの偉人たちの汗と努力のエピソードを解説しています。
現代に住む私たちは、当時と比べれば大変恵まれているにも関わらず、いかに努力していないか、この本を読むと恥ずかしくなってしまいそうです。
多くの偉人たちはやはり努力をしています。
だから自分たちも努力することを忘れてはいけない。
「努力することの正当性」を伝えてくれる本だと思います。
この本を読めば、前向きに努力できるようになる一冊です。